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ついにエボラに関する「公衆衛生上の緊急事態」の発令

2019年7月17日、WHOのジュネーブ本部にて、コンゴ民主共和国のエボラに関しての第4回目の緊急委員会が開催され、ついに、「PHEIC (public health emergency of international concern) 」(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態) が宣言されました。
以下は、現在、コンゴ民主共和国で仕事されている仲佐保医師 (JICA専門家・NCGM・日本国際保健医療学会理事) からいただいた貴重な現地情報です。
現地で保健省といっしょになってエボラ対策に奔走されている仲佐さんの行動力に敬服します。

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6月にウガンダでの症例が出た時も、まだ、様子を見ていましたが、この地域の最大の都市であるGomaでの死亡症例 (牧師さん) が、出たことから、PHEICに踏み切ることになりました。

3,4月からは、最初に流行し、10月時点では一度、収まったかに見えたマバラコ市、ベニ市での再流行 (その数は、1日10例 - 15例) と、流行保健ゾーンの増加等、拡大傾向でした。
そして、ウガンダ例とGoma市での流行のリスクが高かったのが事実です。

今回のエボラの難しさは、これまでも行っているように、内戦地域であり、治安が悪いこと、さらに、歴史的に住民が政府、国連機関を信じていないため、予防接種や治療に抵抗するという点にあります。

さらに、治安が悪いため、どうしてもそこに投入できる人的資源も限られます。
地域は拡大しているのに、投入人材を増やすことができない、国連や他の非政府機関も中々人的投入ができません。
最初に流行した赤道州とは、大きな違いです。赤道州ではあまりにも多くの外国人がおしかけて、大変で、外国人はもう来ないでくれとの話も出てました。

今回は、ワクチンも十分に用意され、リングワクチネーションを実施するということで拡大を食い止めようとしています。
しかしながら、リングワクチネーションをするためには、その地域の最初の陽性者をしっかり把握し、その接触者、また、接触者の接触者を把握して、予防接種をしていくというものです。

実際はどうなのか。現在では、新規発見のエボラ症例の半分ぐらいは、コミュニティで死亡していたり、接触者が全く分からずに確認されているのです。
症例の確認ができなくなっているため、その接触者も把握できていない症例がどんどん増えています。
リングワクチネーションどころではないというのが実態と言えます。

PHEICが宣言され、多少の財政的なインプットは増えると思いますが、これといって効果的な対策が立てられない状況だと思います。

今後、Gomaでの症例が増えてくると、隣国のルワンダ、多くの外国人がGomaに滞在しているために、外国人への感染、毎日、就航している首都キンシャサへの飛行機を通じての首都への拡大のリスクもとても高まってきました。
以上

2019年7月19日
公益社団法人日本WHO協会 事務局